素材で異なる?セーターの素材と縮む原因

セーター_縮む

セーターが縮んでしまうのは洗濯したからではなく、素材に原因があります。ほとんどの素材は洗うと縮む性質を持っていますが、素材ごとの特徴を把握していれば、元に戻す方法を理解するのは難しくありません。そこで、セーターに使われる主な素材と、縮んでしまう原因について説明します。

-動物性の天然繊維

動物性の天然繊維とは、その名の通り動物からとれる繊維を指します。代表的なものは羊の毛から作られるウールやアンゴラ、カシミール地方に生息するヤギの毛を原料とするカシミヤ、蚕の繭を解して作るシルク、アルパカの体毛を紡いだアルパカ繊維などです。動物性の天然繊維は、人間の髪が持つキューティクルと似た構造をしているという特徴があります。

そのため、水に濡れるとキューティクルが広がり、他の繊維と絡み合ってしまうのです。さらに、そのまま乾いてしまうと再び繊維が閉じて、他の繊維と離れられなくなります。このような現象をフエルト化と呼び、洗濯により繊維が縮む原因となっているのです。

-植物性の天然繊維

植物性の天然繊維は、綿や麻のような植物からとれる繊維のことです。綿は洋服だけではなく、肌着やタオルなど幅広い用途に使用されています。吸水性や通気性、耐熱性に優れ、シワになりにくいのが特徴です。綿は水分を吸収すると、繊維がふやける性質があります。太く短くなった繊維は乾燥した後も繊維の長さは元に戻らず、縮んだままになってしまうのです。

麻はさらりとした肌触りが特徴で、春夏物の衣服やシーツなどによく使われます。吸水性や発散性に優れ、汚れがつきにくいものの、肌触りが硬くシワがつきやすい素材です。麻は綿よりもさらに縮みやすいため、洗濯する際は細心の注意を払わなければいけません。

-化学繊維

化学繊維とは、石油などの原料に化学的な処理を行うことで、人工的に作られた繊維です。化学繊維にはさまざまな種類が存在しますが、その中でもポリエステルやナイロン、アクリルなどは合成繊維と呼ばれています。合成繊維は天然繊維よりも吸湿性が低く、洗っただけでは縮みません。そのかわり耐熱性が低く、タンブラー乾燥やアイロンによる熱で縮むことがあります。

また、レーヨンをはじめとする再生繊維も、化学繊維の一種です。レーヨンは木材パルプを原料に作られる繊維で、シルクのような光沢があります。水を含んだレーヨンは、綿のように繊維が太くなり湾曲してしまうのです。乾燥した後も、曲がった部分は元に戻らないという点も綿に似ています。

あきらめないで!縮んだセーターを元に戻す方法

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洗濯で縮んでしまったセーターを元に戻すには、繊維ごとに違った方法で対処しなければいけません。これから紹介する方法を試す前に、まずはセーターの繊維を確認しておきましょう。

-動物性の天然繊維はトリートメントを使う

ウールやカシミヤなど、動物性の天然繊維を使ったセーターは、ヘアトリートメントなどを使って繊維のキューティクルを開く必要があります。乾燥した繊維に潤いを与え、絡み合った繊維を解くことができれば、縮みも解消されるのです。

まずは大きめの洗面器や洗面台に、40度前後のお湯を張ります。適量のリンスやコンディショナーをお湯に溶かしたら、縮んだセーターを浸しましょう。30分ほど浸け置きした後は、セーター全体を優しく引っ張ります。元の大きさに戻ったら、軽く絞ったセーターにバスタオルなどを当てて水気を取りましょう。最後に形を整えたセーターを平干し用のネットに乗せ、陰干しすれば完了です。

-化学繊維や植物性の天然繊維はスチームアイロンを使う

植物性の天然繊維や化学繊維を使ったセーターを元に戻す際は、アイロンを使いましょう。まずはセーターを一度お湯に浸けてから脱水します。袖や裾などが縮んでしまった場合は、元に戻したい部分だけを浸けても構いません。セーターがほぼ乾いた状態になったら、アイロン台などに乗せます。縮んだ部分をしっかりと伸ばしながら、スチームアイロンを当てていきましょう。

なお、アイロンは直接当てず、1cmほど浮かせるのがポイントです。また、縮んだ部分は一気に伸ばすのではなく、少しずつ伸ばしていきます。繰り返しアイロンを当てながら、少しずつ伸ばす範囲を広げていくのが、きれいに元に戻すためのコツです。

-動物性の天然繊維が一部混じっているような場合は?

セーターは100%天然繊維や合成繊維のものばかりではありません。ウールやアクリルなど、複数の繊維が混ざった混紡素材もあります。そのようなセーターが縮んでしまった場合、混紡の割合だけで元に戻す方法を決めるのは危険です。含まれる割合が大きい繊維ではなく、よりデリケートな繊維に合わせた方法をとるようにしてください。

一般的に、植物性の天然繊維や合成繊維よりも、動物性の天然素材のほうがデリケートです。アイロンをかけてしまうと、繊維を傷めてしまうリスクが大きいのでかけないでください。ただし、動物性の天然繊維に合わせた方法をとっても、必ずしも元に戻るとは限りません。様子を見ながら慎重に対処することが大切です。

押さえておきたい!セーターを洗濯する前の注意

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セーターを縮ませずに洗うためには、いくつか注意するべき点があります。注意点を守って洗濯すれば、縮みを予防できるだけではなく、品質を保って長持ちさせることが可能です。そこで、セーターを洗濯する際に気を付けたいポイントを説明します。

-洗濯の頻度

セーターはシャツやインナーの上から着ることが多いです。素肌に直接身につけるわけではないので、頻繁に洗う必要はありません。むしろ、洗いすぎは繊維を傷めたり、毛玉を作ったりする原因になってしまいます。適切な洗濯の頻度は1カ月に1回程度。ただし、シミや臭いを放置すると取れなくなってしまうので気をつけてください。

汚れや臭いがついてしまったときは、その都度洗濯すれば問題ありません。なお、セーターの内側と外側では、付きやすい汚れの種類が違います。内側に付く汚れは、主に汗や皮脂です。脱いだ後に干して湿気を取れば、すぐに染みつくことはありません。外側に付いたホコリは、ブラシなどで表面を軽く払えば、洗わなくても大部分を落とすことができます。

-洗濯表示の確認

セーターを洗う前に、タグに付いた洗濯表示を確認しましょう。洗濯機のマークや手洗いマークがあれば、自宅で洗濯が可能です。逆に、マークがないものは水洗いができないので、クリーニング店などに依頼しましょう。

なお、海外製のセーターは洗濯表示が見当たらないことがあります。そのような場合は、使われている素材を目安に判断するのも一つの方法です。カシミヤやシルク、革のほか、レーヨンやキュプラ、アセテートなど一部の化学繊維が使われているものは、洗濯がむずかしいです。たとえセーター全体に含まれていなくても、裏地やポケットなど、部分的に使われていることもあるため注意しましょう。

洗濯機よりも手洗い!自分で洗濯する時のポイント

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大切なセーターを縮ませないためには、自宅で洗濯する際のポイントを押さえておく必要があります。ただし、セーターは毎日洗濯する必要はありません。最初のうちはわからないことが多くても、何度か洗濯を繰り返すうちに少しずつ慣れていくことができます。

-洗濯は手洗いが基本

セーターを自宅で洗濯する場合は、基本的には手洗いしてください。洗濯機マークがついているセーターでも、洗濯機に入れて回すと毛玉ができやすくなってしまいます。手洗いの際に必要なのは、大きめのたらいやバケツと、洗剤を溶かした水です。畳んだセーターを水の中に入れたら、両手でそっと押します。

このとき、畳まずに洗ってしまうと型崩れの原因となるため注意が必要です。そのままセーター全体に洗剤を染み込ませるようにして、優しく押し洗いを繰り返しましょう。十分に洗った後は、セーターに刺激を加えないよう気を付けながら水ですすぎます。目安はすすいだ水が濁らなくなるまでです。脱水の際は、タオルなどにセーターを挟み、両手で軽く叩きましょう。

-必ず中性洗剤を使用する

セーターを洗うとき、アルカリ性や塩素系の洗剤を使うことはできません。生地を傷め、質感を変えてしまうおそれがあるので気を付けてください。洗濯する際は必ず中性洗剤を使います。セーターを洗濯できる中性洗剤は、多くのメーカーから販売されており、ドラッグストアやホームセンターで入手できます。パッケージなどの説明によく目を通したうえで、使いやすいものを選びましょう。

なお、メーカーごとにさまざまな効果を謳った洗剤が出されていますが、基本的には中性洗剤であればどの商品を選んでも問題はありません。縮みや色落ちを防止する効果を表示している洗剤なら、セーターへのダメージを防ぎながら、安心して洗うことができます。

-水やぬるま湯での洗濯を

セーターを洗うときに、熱いお湯を使ってはいけません。汚れが落ちやすいことから、洗濯の際にお湯を使う人は多いです。特に、冬に手洗いをする際は、お湯がよく使われます。でも、ウールをお湯で洗濯すると、水で洗ったときよりも大幅に縮んでしまう可能性があるのです。

また、凍えるほど極端に冷たい水も、毛糸同士が絡んでしまうため、セーターを縮ませる原因になりかねません。また、熱に弱い化学繊維も、お湯で洗うと伸びてしまうことがあるので注意しましょう。洗濯の際に使う水は、30度程度のぬるま湯や、手を入れたときに冷たすぎない温度の水がおすすめです。

-平干し用ネットで陰干しするのがベスト

洗濯したセーターは、日向ではなく陰干ししてください。直射日光が当たる場所に干すと、色落ちしてしまうおそれがあります。特に、白いセーターは黄ばんでしまう可能性があるため、注意して干さなければいけません。また、干すときにハンガーは使わないようにしてください。セーターは水分を吸うと重くなります。

そのため、ハンガーを使うと自重で伸びたり、型崩れを起こしたりする原因になってしまうのです。セーターは平干し用のネットを使い、平らにした状態で干すのがベストです。平干し用のネットはホームセンターや100円均一のほか、通販でも手に入ります。なお、天然素材を使用したセーターや厚手のセーターはなかなか乾きません。なるべく早く乾かすためにも、風通しの良い場所に干してください。

手洗いは難しい!洗濯機を使う場合の注意点

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使われている素材によっては、洗濯機で洗えるセーターもあります。どうしても手洗いが難しい場合は、洗濯機を活用しましょう。なお、先に説明した洗濯のポイントは、洗濯機で洗うときにも守らなければいけません。ここでは洗濯機を使う際の注意点を2つ紹介します。

-ていねいに洗うコースを選択する

洗濯機でセーターを洗うと、摩擦が加わり繊維を傷付けてしまう可能性があります。できる限り生地を傷めないためにも、一番やさしく丁寧に洗うコースを設定しましょう。ほとんどの洗濯機には、手洗いコースやドライコース、「ていねい」などの機能があります。このようなコースや機能を選べば、むやみに洗濯物を回すこともなく、優しい流水で洗ってくれるので、繊維を傷めずに済みます。また、可能であれば1回だけの設定にするなど、すすぎの回数を少なめにすることも大切です。

-洗濯用ネットを使う

セーターは洗う前に必ずゴミやホコリを取り除き、洗濯ネットに入れるようにしてください。ネットに入れて洗えば、繊維へ与える刺激を軽減することができます。

ただし、洗濯機で洗うとどうしてもセーターと洗濯ネットが擦れてしまうため、完璧に毛玉を予防するのは難しいです。目立つところに毛玉ができないようセーターを裏返し、畳んでネットに入れてください。LAKOLE(ラコレ)のランドリーネットは3つのサイズが展開されており、衣類の大きさや用途に合わせて選べます。トラベルバッグとしても使えるので、旅行の際も便利です。

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-保管方法にも気を配ろう

セーターが完全に乾いたあとは、馬毛などを使った洋服ブラシで優しくブラッシングしてから、丁寧に畳んで保管しましょう。跡がついたり、型崩れしたりするのを防ぐには、畳むときにできる限り折り目を少なくするのがポイントです。

また、上から押さえつけたりせず、ふんわりと畳みます。また、ふんわりとした質感を失わないためにも、衣類ケースにしまうときは狭い場所に詰め込んではいけません。スペースがないときは、圧縮袋を使うと便利です。防虫剤は衣類の一番上に置きましょう。防虫剤の成分は上から下に向かって流れるため、衣類の下に置くと効果が減ってしまいます。

洗濯方法に注意して長くセーターを着こなそう!

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縮んでしまったセーターは処分しなくても、ここで紹介した方法を実践すれば元に戻すことができます。しかし、日頃から洗い方に気をつけていれば、そもそもセーターが縮むこともありません。この記事で解説した洗濯のポイントを意識しながら、丁寧なお手入れを心がければ、お気に入りのセーターを長持ちさせることができます。